雨漏りと結露の問題は、似て異なるものですが混同しがちです。雨漏りと結露を見分けるポイントは被害状況にあります。
このページでは、雨漏りか結露かを判断する方法を説明していきます。
雨漏りと結露を見分けるポイントは被害状況にあり
雨漏りと結露を見分けるポイントは被害状況にあります。
雨漏りの場合は、壁や天井に雨水による染みが出来たり、実際に水滴が落ちて来ますが、結露の場合は主に黒カビが浮き出てくるので、壁紙クロスや天井材が黒ずんで見えます。
このように室内の壁が黒ずんで見える場合は内部結露(壁内結露)の可能性が高いです。
ただし、問題はどう根拠付けるのか?です。結露であるという事を断定するためには雨漏りしていないことを証明しなければなりませんので、やはり雨漏り調査が必要になります。
雨漏りか結露かを判断する調査方法は?
雨漏りか結露かを判断するためには、散水調査と赤外線調査の両方を行う必要があります。そして、一部ですが室内のカビが発生している部分を剥がすことができれば、なお確実になります。
一部分を剥がしたとしても、現状復旧するはずですから、お施主様の承諾を得ておけば特に問題はないと思います。
建物には通気性が重要
住宅の寿命は、水分をいかにコントロールするかによります。つまり、建物には通気性が重要になります。
昔の住宅は言い方は好ましくないかもしれませんが、極端にいえば隙間だらけの家でした。家のどこかに僅かに隙間があるので、湿気は逃げることができたのですが、昨今の住宅は高気密なので隙間がありません。
また、外壁に関しても昔はモルタル壁で通気性があったのですが、現在はサイディングボードが多く、サイディング自体には通気性はありませんので、空気層を設けて湿気を外に逃がしてやる(通気工法)必要があります。
ところが、サイディングの裏側にただ空気層を設けてあるだけで、軒天に換気口がない住宅も少なくはありませんで、壁内に湿気が溜まってしまうわけです。
基礎のすぐ上に金物が存在しています(土台水切り)が、その金物とサイディングボードの間に1cmくらい隙間がありますがこれが通気層です。ここから壁内に浸入した空気は壁内を上昇し、軒天から排出されます。
軒天に換気口がないと壁内には、一年中湿気が溜まっていることになり、壁内で結露が生じます。そして室内側の壁にカビが発生するという事につながってしまうのです。
通気性が無いと断熱性を失ってしまう場合もあり
通気性がない壁を作ってしまうと、もっと重要な性能を失ってしまう事になります。それが断熱性です。壁内にはグラスウールという断熱材が入っていますが、この断熱材が湿気を吸い込んでしまうと、湿った布団のようにペタンコになっていきます。
布団を天日に干した後はふかふかして気持ちが良いですよね?あれは布団が吸い込んでしまった湿気をお日様が乾かしてくれるからです。一方で万年床の布団は重くペタンコになりますよね?それは湿気を含んでいるからです。
これと同じことが壁の内部で起こると、断熱性が著しく低下してしまいます。また一度湿気を大量に含んでしまった断熱材は元には戻りませんので、気がつかないうちに夏は暑く冬は寒い住宅へ変化していくことになります。
いかがでしょうか?このように湿気は住宅にとって天敵なのです。雨漏りなのか、結露なのか、わからないときは雨漏り119にご相談ください。